私の大切にすること|「自信」を軸に考える

みなさんこんにちは.

最近,メンタル面についての
質問が増えてきたので,
そのことについて
私の考え方を少し紹介します.
あくまでも個人の意見(考え方)で
「〇〇学」でも「〇〇科学」でもないので
悪しからず.

私の考え方は
リオシーズン(2013-)に入ってから
今まで全く変わってません.

2015年の記事には
「プラセボ効果最強説」とか
https://takanoriishii.jp/2015/03/25/%e3%83%9e%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e3%82%bb%e3%83%83%e3%83%88/

2018年アナリスト向けの講習会でも
「自信につながる情報戦略が重要」とか
言ってます.

2019年の末に柔道男子ナショナルチームにも
話をしたのが,「自信につながるデータ」でした.

つまり,選手の「自信」を軸にした考え方が
僕が選手のパフォーマンスに
アプローチする時に大切にしてる考え方です.

2016年リオ五輪後の最初の女子強化選手合宿で
こう言ったことを思い出します.
『鯉のように口を開けて
 餌(サポート)を待っていても意味がないし,
 そこで与えられたものが皆の力になるとも思わない.
 自分から「これが食べたい」ってのを示してほしい.
 皆さんが望むものがあれば,喜んでサポートする.』

2005年から科学研究部として関わってきましたが
一方的に与えたサポートで貢献できた感覚がありません.
この経験は,僕自身をかなり成長させたと感じてます.


少し難しい話になりますが。。。

私は,
選手の根っこの「自信」につながるかを考えて
パフォーマンスにアプローチしますが,
このアプローチには2つの方法があります.
一つは,
「論理的に説明できる・理解できるか」(A)
もう一つは,
「直感的に信じられるか」(B)
です.

私は,基本的には(A)を用います.
それは,
選手と強い信頼関係を築く時間がないためです.
この場合に(B)を用いることは非常に危険ですし
正直,効果がないことが多いです.
なので、客観的な情報(データや科学の知見)から
インテリジェンス化をはかり
話をすることが多くなります.

もし,選手との信頼関係が築けている場合,
選手から尊敬されていて,敬意が示されている場合
は(B)を用います.
正直にいうと(B)の方が効果が出やすいです.
(これがプラセボ効果最強説につながります)


(A)では課題解決のストーリーを
論理的に示すことができればいいですが,

(B)では前提条件が必要なわけです.
選手と私の間で
「尊敬し合える関係性が築けている」
という前提条件がなければ,
「自信」につながるアプローチはできません.
逆に悪影響を与えることが多く,
選手の言い訳を作ることに繋がります.


どんどん難しくなるかもですが。。。
「赤」は「赤」を見て(感じて),
「赤い」と直感的にわかった方がよくて

「赤」の「赤」とは何かを理解できるように
言葉で説明することは難しいです.
言葉で説明しても(論理的に)
わからないで終わるケースもあります.

これが競技力に相補的に関わる「心」への
アプローチになるわけで,
私が講習会などで
「心的・知的能力」とくくるのは
こういう意味(上記のようなこと)もあるからです.


もし,選手とコーチの間で
非常に強い信頼関係,
互いに尊敬がある関係性が築けている場合は,
私からコーチには(A)を用いて
コーチから選手には(B)を用いてもらう時があります.
これまでの経験の中では
これは,一番成果に繋がっていると感じてます.

選手に関わる方々が
この辺りが理解できるといいのですが,
巷で偉いとか専門家と言われる人が
履き違えて
「あの一流選手もやって成功したから/
 私がやってきて成功したから」
「これが最新の科学だから」とか言って
「こうやりなさい」という人が多いです.
お膳立てしたんだから,絶対に食えってやり方です.
でも,うまくいかないんです.

肩書きや事例だけでは
「信じる」に繋がらないことを
理解しなければなりません.

私は,
お膳立てしたとしても
「食え」とはいいません.
選手は,これまでに信じてきた
自分の作った「米」があるのに,
それを食わせず
俺の作った「米」を食えというのは
間違いなんです.
「あの時にこれが必要と言ってたよ」とか
「自分の米の作り方で課題があるって
言ってたよね」とか
「口に合うかもよ」程度です.
あと,箸をとって
口に運ぶかは選手が決めることです.
自分で咀嚼して食べなければ
消化不良で身にならないんで.


やべ。。。

選手の我儘は「悪」なのか
を書こうと思ったら違う方向になってしまいました.

少しだけ私の結論を書くと
選手の我儘も「根っこの自信」から
出たものであれば,認めるべきです.

「根っこの自信」かを見抜くためには,
言葉→行動→その継続→その成果→何に喜び・悲しむか
で私は見るようにしています.

ブレブレであれば,
自信のない我儘だなとか.
このあたりはまた機会があれば書こうと思います.

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