熱中症の問題が出たことが理由ではなく、
以前から気になっていたところなので自身の勉強用の記録として。
(皆もこの時期、気になる話だと思うので。)
パフォーマンスの質とアスリートの安全は、
十分な水分および電解質バランスに大きく依存するといわれている。
水分補給はシンプルに考えてもいいところだが、
一部の批評家のように偏見を前面に押し出すのは危険だ。
とくに、「電解質バランスに大きく依存する」という部分の理解が乏しい。
この部分は、時間があるときにゆっくり記録する。
今回は簡潔に。
なぜ脱水はパフォーマンスに影響するのか?
流れはこんな感じ。
体液の減少→血漿量の減少→動脈圧の減少
→筋と皮膚の血液量の減少→心拍数の増大
ざっくりいうと、心拍リズムと核心温が上昇し、
身体能力が低くなる。
(細かく書くと混乱するかもしれないが、
必要な記録として)
↓
血漿は、浸透圧の維持、体液の調節、栄養物や老廃物の運搬、
血圧の維持、体温調節、局所熱の拡散という生理作用を有する。
なので、脱水はこれらの機能を低下させる。
ただし、脱水のパフォーマンスに及ぼす影響は、
運動形態や運動時間によって異なるので注意が必要。
たとえば、体重の2-4%の脱水では、
無酸素性と有酸素性のパフォーマンスへの影響はかなり異なり、
無酸素性のパフォーマンスにはほとんど影響しないという研究が多い。
体重階級制のスポーツでは、
(計画的・戦略的な)脱水減量は不可欠で、
コンディションに大きな影響を与える。
(+計画的・戦略的なリカバリーも超大事!!)
優勝する力を持っていても、
最後の最後でコンディションを崩し、
一回戦で敗退する(通常の稽古では絶対に負けない相手に負けてしまう)
というのを見た人・経験した人は多いと思うので、
よくわかると思う。
アスリートの方々は、まず以下の2点の視点で、考えてみよう(再検討)。
・脱水減量の方法は適切であるか。(減量期間や減量幅を含む)
体重の変化だけで評価することは非常に危険ということを知る。
・リカバリー方法(水分補給など)は適切であるか。
計量から試合までの時間や大会レベルにあったものであるか。
まずは、自分自身の実施している方法を見直すことが大事。
なぜかというと、
・脱水による生理学的な変化は個人差がある
(自分がどう感じるかも重要!)
・個人内でも時期によって脱水の影響が異なる
(暑熱順化する前?後?とか。暑熱順化って何よ?
たまには自分で調べよう!)
・そもそも脱水減量を誰から教わった??(笑)
(誤解もあるので気をつけて)
じゃあ、どうしたらいいのよー?
手っ取り早く教えてー?
という人ばかりだと思うので、これまでの知見を提供。
ただし、じぶんにあった方法が見つかるまでの参考程度に。
【リカバリーの科学から抜粋】
●運動中失った水分はできるだけ早く補給する。
アスリートは運動前後に体重を測定し、必要な補給量を決定する。
水分を完全に補給し、保持するためには損失量の150~200%の量を
摂取する(Shirreffs et al.1996)。
●アスリートがのどの渇きを感じたことで行う水分補給は
運動中に失った水分を完全に埋め合わせることはできない。
このような場合、冷水、温水、ミネラルウォーターよりも、
少し味がついた12~15℃の飲料のほうが補給量が多くなる(Hubbard et al.1984)。
水分補給飲料のおいしさは、摂取させる刺激に対して重要である。
可能なかぎりその努力はするべきで、飲料のナトリウム濃度を減らすために、
電解質は食事に加えて摂取するべきである(Beckers et al.1992)。
●水分バランスは、少量よりも、長い時間をかけた大量の水分摂取により
急速に回復される。この摂取の後は、15分ごとに約200mLずつ
摂取することが推奨されている(Kovacs et al.2002)。
●次のトレーニングセッションまで6時間以上ある場合には、
体液バランスは水と固形の食べ物の摂取からリカバリーできる(Galloway 1999)。
●2つのトレーニングセッションや試合の間が短く
水分摂取や食事が十分できない場合は、水分状態のリカバリーは
もっぱら水分補給によって行われる。
その際、食べ物を通して補給できない場合は、
飲料には少なくとも50mmol/L(1.15g/L)のナトリウム、
そしてできれば少量のカリウムを含んだものにすべきである
(Maughan and Shirreffs 1997)。
加えて、約2%の糖質濃度は腸による水とナトリウムの吸収を改善する
(Brouns,Kovacs,and Senden 1998)。
●塩の錠剤の摂取は、腸管内が高張になり、消化のための水分泌が増え、
消化促進の問題を引き起こす可能性があることからすすめられない
(Bigard and Guezennec 2003)。
●尿による電解質(マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、
カルシウムイオン)排出を促進することから、
リカバリー中のカフェインの摂取は避ける(Brouns et al.1998)。
●2.5g/100mL以上のグルコースを含む飲料の摂取は胃内排出速度を促進する。
塩やカリウムを加えすぎるとその速度は促進されなくなる(Owen et al.1998)。
●血漿量を適切な浸透圧にするために、
ミネラルの濃度はナトリウムイオン0.5~0.6g/L,塩化物イオン0.7~0.8g/L,
カリウムイオン0.1~0.2g/Lにする(Lamb and Brodowicz 1986)。
アスリートは運動前後に体重を測定し、必要な補給量を決定する。
水分を完全に補給し、保持するためには損失量の150~200%の量を
摂取する(Shirreffs et al.1996)。
●アスリートがのどの渇きを感じたことで行う水分補給は
運動中に失った水分を完全に埋め合わせることはできない。
このような場合、冷水、温水、ミネラルウォーターよりも、
少し味がついた12~15℃の飲料のほうが補給量が多くなる(Hubbard et al.1984)。
水分補給飲料のおいしさは、摂取させる刺激に対して重要である。
可能なかぎりその努力はするべきで、飲料のナトリウム濃度を減らすために、
電解質は食事に加えて摂取するべきである(Beckers et al.1992)。
●水分バランスは、少量よりも、長い時間をかけた大量の水分摂取により
急速に回復される。この摂取の後は、15分ごとに約200mLずつ
摂取することが推奨されている(Kovacs et al.2002)。
●次のトレーニングセッションまで6時間以上ある場合には、
体液バランスは水と固形の食べ物の摂取からリカバリーできる(Galloway 1999)。
●2つのトレーニングセッションや試合の間が短く
水分摂取や食事が十分できない場合は、水分状態のリカバリーは
もっぱら水分補給によって行われる。
その際、食べ物を通して補給できない場合は、
飲料には少なくとも50mmol/L(1.15g/L)のナトリウム、
そしてできれば少量のカリウムを含んだものにすべきである
(Maughan and Shirreffs 1997)。
加えて、約2%の糖質濃度は腸による水とナトリウムの吸収を改善する
(Brouns,Kovacs,and Senden 1998)。
●塩の錠剤の摂取は、腸管内が高張になり、消化のための水分泌が増え、
消化促進の問題を引き起こす可能性があることからすすめられない
(Bigard and Guezennec 2003)。
●尿による電解質(マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、
カルシウムイオン)排出を促進することから、
リカバリー中のカフェインの摂取は避ける(Brouns et al.1998)。
●2.5g/100mL以上のグルコースを含む飲料の摂取は胃内排出速度を促進する。
塩やカリウムを加えすぎるとその速度は促進されなくなる(Owen et al.1998)。
●血漿量を適切な浸透圧にするために、
ミネラルの濃度はナトリウムイオン0.5~0.6g/L,塩化物イオン0.7~0.8g/L,
カリウムイオン0.1~0.2g/Lにする(Lamb and Brodowicz 1986)。
次回は、電解質バランスについて少し踏み込んで記録する。
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