剛毅木訥仁に近し

巨星落つ。

空虚…
というべきか…

心の整理がまだついてない。

なぜか
国士舘大学出身でもない私を
いつも気にかけてくれていた。

強化選手の時のヘッドコーチだったが、
科研の部員になってからの方が
よく話をするようになった。

世界ジュニアに科研としてサポートに行った時のこと。

斉藤先生 「お前、アメリカ人か??」

石井   「え??」

斉藤先生 「何だ?そのマークは?」

石井   「アンダーアーマーです。」

斉藤先生 「バカヤロー!!何でミズノ着てないんけ!!」

石井   「サイズがなくて、購入が間に合いませんでした」

斉藤先生は「あとで部屋に来い!!!」

と言われ、また怒られるんだろうと思って部屋に行くと、

「とりあえず、俺のTシャツと短パンやるから。それを着とけ!!」

と、みんながいる前ではガツンと怒れたが、
1対1になると本当に優しかった。

今考えると、ただ優しいじゃなく、
組織を動かす人間として凄さを感じる。

体調が悪いのを隠しながら…
「おい石井!!俺はスマートになったけん服やるよ!!」
といって、
この1年で、Yシャツやポロシャツだけではなく、
スーツも10着以上くれた。

教え子やもっと近い関係者で、
ほしいという人がいたんじゃないかと思ってしまう…

いろいろと考えてしまうが、
斉藤先生からは
「すべては現場にあり。現場が中心であり。現場は厳しい。」
ということを教わった気がしている。

昨年のチェリャビンスク世界選手権の帰り。
モスクワのラウンジで、私はめちゃくちゃ怒られた。
チェリャビンスクにいった選手とスタッフの中で怒られたのは、
たぶん私だけだったと思う。

私は、サポートスタッフの統括的立場だった。
細かい内容は書くことができないが、
「ふざけるな!!言い訳するんじゃない!!
 サポートスタッフの一人だろうが、
 現場に少しでも迷惑をかけたら
 それはお前の責任だ!!」
と最後に言われた。

その時は、
現場のためだと思ってひたすら突っ走っていたことが
総崩れして。
とてもショックだった。

でも、時間が経つにつれて
その意味がよくわかった。
頑張ればいいという問題でもないし、
自分の最善(ベストを尽くせばいい)でもない。
現場にとっての最善を考えないといけないなと。

選手としてだけでなく、
仕事に対しても厳しさを教わった。

まだ、まとまらないが
「剛毅木訥仁に近し」
を心に。

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