エンディングノート|はじまりとおわりのあいだ

前置きなんか書きたくない!けど誤解のないように

こんなことを始めると「あいつ死ぬんじゃないか」と思われる.別に死にたいわけじゃない.
でも,やがて死ぬという事実と向き合った時,やり残したことがないように生きたいと思った.ただそれだけである.あまり重い話ではない.
東京オリンピックに向けて支援している中で「腹を切る覚悟」と言った.僕が大切にしていることは「言っていること.やっていること.そこから生まれる成果が一致していること」である.だから,「腹を切る覚悟」と言ってしまった以上,その覚悟と一致するような行動をとり,成果が生まれるように最善を尽くした.その評価を自分ではしないが,「自身のできる支援」という意味ではやり残したことはなかった.ただ,その支援の過程で,自分の「死」と本気で向き合うと「このまま死んだら,やり残すことばっかりやん(笑)」と思ってしまった.そんなことで,僕の中で,やることリストができた.最初の一つが「子どもたちへの手紙」である.ここまで聞くと,かなり重い話だと思われるが,それ以外はほとんどが軽く,「スカイダイビングをする」とか「同じ場所から(海からの)日の出と(海への)日の入りを見て過ごす」とか,やろうと思えばできることばかりである.優先順位が高いものはもちろん「子どもたちへの手紙」.何度でも書けるけど,これからも変わらない気持ちを綴っておこうと思う.

子どもたちへの手紙

愛してる.
君たちが失敗しようが成功しようが,それは変わりない.
君たちが僕を好きだろうが嫌いだろうが,それは変わりない.
今も愛してる.

僕は笑顔になる.
君たちが何かの活動それ自体に没頭しているときが好きだ.
君たちが何か意味のある挑戦を見つけベストを尽くしているときが好きだ.
別にトップである必要もないし,成績がAである必要もないよ.
だから,没頭できるものを見つけてほしい.
そして,没頭できるものがあり続けてほしいと思う.
没頭している君たちを見ていると笑顔になる.

ごめんね.
君たちと共有できる時間の多くを犠牲にしてきた.
君たちの成長の瞬間の多くを見逃してきた.
それは,僕が勝負の螺旋から降りることができなかったから.
それは,僕が優越性を証明したがる欲求に勝てなかったから.
難しいことだけど,いつかわかってくれると期待してる.
「ごめんね」は2度言わないようにするよ.

君たちの舵輪(だりん)は君たちが持っている.
舵輪は難しいかな?船を操作するもので,車のハンドルのようなものだよ.
君たちの心の舵輪は君たちが持っていることを忘れないで.
君たちが舵を取っている間は,常に「希望」がある.
君たちの持っている「希望」は誰にも操作されないし,誰にも侵されることはない.
だから,どんな時も心の舵輪から手を離さないで.
他の人たちからどう見られているかに焦点を当てすぎずに,「自分に正直」に舵をとってほしい.
そして,他の人たちの舵輪もその人自身が握っていることを知り,支配的な言葉や態度には注意しよう.

礼を大切にしよう.
「自分に正直でいること」と「自分本位」は違うよ.
他者の視点や立場を理解して,自分に正直であることは,「自分本位」ではないんだ.
だから,他者の気持ちを認め,敬意をもって接すれば,自分に正直でいても大丈夫だよ.
正直な君たちを信頼し,協力してくれる人たちもいるから.
自分に正直に生きていくためには,礼がとても大切なことを知っていてほしい.

囚われないで!
「裕福になること」「有名になること」「肉体的に魅力があること」に囚われるととても危険なんだ.
このSNSの発展した社会では,上の3つが欲求を満たすものの中心にある.
でも,心の健康は,「個人として成長すること」「社会に貢献すること」「満足いく個人的関係を持つこと」という欲求を満たすことで高くなるんだ.だから,SNSで輝く栄光に目がくらむかもれないけど,そんなときにこれを読み返してほしい.

自分自身に失敗していいよと伝えよう.
何度でも言うけど,失敗したって,僕は君たちを愛してる.だから安心して.
そんなんじゃ安心できない?(笑)
でも,失敗してもいいことを知ろう.君たちは情熱のまま突き進めばいい.
失敗したって次がある.それに失敗したって,その次がある.
もちろん,「痛み」や「苦しみ」を感じるかもしれないけど,人が生きていることの意味は様々な感情を経験することなんだ.僕は君たちにたくさんの感情を経験してほしいと思ってる.
そんなたくさんの経験ができれば,「君たちにとっての成功」をたくさんおさめることができるよ.

最後に,僕の肉体がこの世界からなくなったとしても君たちを愛してる.
直接言えよ!って(笑)これはデジタルな手紙だからね.
これからは生と死の考え方が変わると思う.
この言葉も,デジタルの中で生き続けるんだ.そして,僕がここに存在する.
いつもそばにいることを感じてほしい.

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