トレーニング編 第8回
筋力トレーニングの効果は,いつみられるのだろうか??
この問いに,
「トレーニングの最中に!!」
とこたえてしまった人は注意が必要だ.
これは,極端にいうと,
トレーニングをやり続ければ強くなり続ける,
ということになってしまう.
しかしながら,そうではない.
トレーニングの効果は,トレーニング後の休養中にあがるのである.
このような「トレーニングをやればやるほど効果があがる」という思い込みが,
しごきにつながるのである.
まず,筋力トレーニングについては,
一要因・超回復理論を理解しておく必要がある.
これは,激しいトレーニングを行うと,
種々の物質が減少(枯渇することはないが,枯渇するというコトバがよく使われる)し,
休息期を経過することによって,生化学的物質レベルが初期レベルを超えて増大する,
という過程に着目している理論である.
これを身体の状態と結びつけて,
・トレーニングによって,体力が低下
・その後の休息によって,体力が回復
・最適な休息期間で,一時的にトレーニング前の水準よりも高いところに体力が伸びる
ということである.
つまり,最適な休息によって,最大の効果が得られるということである.
コーチは,選手をオーバートレーニング症候群に陥らせないためにも,
思い込みを捨てて,学び,実践しなければならない.
【追記】
コーチは,競技特異性や選手個人の課題を理解し,
パフォーマンスの改善を導く専門的適応を生み出すように,
トレーニングプログラムをデザインしなければならない.
そのため,(単純な)理論だけでは,
すべてのトレーニングを説明できないこと,
必ずしも競技パフォーマンスが改善するとはいえないこと,
を頭に入れておく必要がある.
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