学校管理下における柔道事故を考える(2)

【怠慢】
当時(平成23年12月頃),私は
「武道必修化が完全実施される前には柔道の頭部外傷に
 関する多くの研究(事故の調査ではなく,事故のメカニズムを探るような)が
 発表されるだろう」と考えていました.
しかしながら,科学的根拠を持った内容の発表はほとんどみられませんでした.
武道必修化が完全実施されるまでに
柔道事故の検証が迅速に行われていなければならないはずでしたが…

私は柔道家として,
学校管理下における柔道(学校体育,部活動)の中で,
亡くなられている方がいるという事実を真摯に受け止め,
柔道事故を検証しなければならないと考えました.

検証もせずに「虐待で起こるから…」と
安易に柔道事故につなげることは非常に危険であり
怠慢であることも強く感じていました.

そこで,人に頼っていてもダメだと思い,
私のできることをひとつずつ検証していこうと研究をスタートしました.

私の研究は,
柔道固有の動作における受の頭部の加速度・角加速度を測定し,
先行研究で明らかになっている脳震盪レベルの数値と比較することによって,
どのような動作にリスクがあるのか(もしくはないのか)を
明らかにすることを目的としています.

これは,
柔道における頭部外傷(急性硬膜下血腫)が
頭部を直接打ち付けない「加速損傷」によって
起こるとされていることの検証です.

以下の疑問の答えがわかれば,さらに研究は進みます.
【疑問】
1.加速損傷は頭を打たなくても起こるのか(そもそも誰が言った??,)
 (解剖学的特徴がある乳幼児特有のものは除く)
2.もし,頭を打たなくても起こるのであればどの程度の角加速度で起こるのか
3.2の角加速度は,どのような状況・条件・動作で生成できるのか

学校管理下における柔道事故を考える(3)につづく

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